おうちの外、特に車の中で聴くラジオが大好きなアメリカ人

米国の著名な調査会社であるNielsenニールセン)が2019年春に発表した「Nielsen Audio Today 2019, HOW AMERICA LISTENS」を見てみました。
検索をするとAUDIO TODAY 2018AUDIO TODAY 2017は、いくつかの日本語の記事が出てきますので、私は2019年版を紹介します。
当サイトで扱うラジオフォーマットは背景が黄色になっています。

週のうち触れるメディアの回数(18歳以上)
 1位  ラジオ  92%
 2位  テレビ  87%
 3位  スマートフォン  81%
 4位  PC  54%
 5位  テレビに接続した機器  52%
 6位  タブレット  46%
となり、ラジオが1位になっています。

月間のうち触れる人数は(18歳以上)
 1位  ラジオ  2億4450万人
 2位  サイト検索  1億9050万人
 3位  ソーシャルアルメディア  1億7780万人
 4位  ネットショッピング  1億4450万人
 5位  ビデオサイト閲覧  1億4310万人
 6位  ニュースサイト閲覧  1億540万人
 7位  スポーツサイト閲覧  5730万人
こちらもラジオが1位になっています。

月間のうち触れる人数をプラットフォーム別にみると(18歳以上)
 1位
 ラジオ
 2億4451万2千人
 2位
 テレビ
 2億3199万6千人
 3位
 スマートフォン
 2億1258万2千人
 4位
 PCでのインターネット
 1億7394万6千人
 5位
 タブレットでのインターネット
 1億3589万3千人
 6位
 上記以外のインターネットデバイス
 1億2660万6千人
となっていて、こちらもラジオが1位になっています。

月間のうち各ラジオフォーマットのトップ3の聴取率は
TEEN(12-17歳)では
 1位  CHR(TOP40)  18.5%
 2位  COUNTRY   12.7%
 3位  AC  8.6%

18-34歳では
 1位  COUNTRY   15.1%
 2位  CHR(TOP40)  12.9%
 3位  AC  7.9

25-54歳では
 1位  COUNTRY   13.1%
 2位  CHR(TOP40)  8.6%
 3位  AC  8.6%

18歳以上では
 1位  COUNTRY   13.2%
 2位  NEWS/TALK  12.2%
 3位  AC  8.7%
となります。

12歳以上のヒスパニック、12歳以上の黒人、18-49歳の大人、18-49歳の女性、18-49歳の男性、25-54歳の女性、25-54歳の男性、それぞれで別けたときの各ラジオフォーマットのトップ3も掲載されています。
また、12-17歳のティーンと18歳以上の大人の平日と土日で分けた、各時間帯のラジオの聴取率も掲載されています。
ここでは上記のデータの紹介は省略します。

ラジオを聴く場所は
 一週間を通して  家以外69%  家31%
 仕事のある平日  家以外73%  家27%
 平日のドライブタイム(※2)  家以外71%  家29%
 週末  家以外64%  家36%
となっていて、家以外の場所で聴くのが多いようです。

家以外の場所とは?
 一週間を通して  車の中66%  家31%  その他(※1)3%
 仕事のある平日  車の中63%  家35%  その他(※1)2%
 平日のドライブタイム(※2)  車の中51%  家27%  その他(※1)2%
 週末  車の中79%  家16%  その他(※1)5%
となっていて車の中でのラジオの聴取が多い傾向がわかります。

【top40fmtの注釈】
(※1)その他は学校や人の家、車以外の移動手段も含みます。

(※2)drive timeとはNielsen Holdings傘下のNielsen Audioによって定義されたラジオ放送の時間帯
morning drive time (6:00–10:00 a.m.)とafternoon drive (3:00–7:00 p.m.) 
昼間の時間は、midday (10:00 a.m.–3:00 p.m.)と呼びます。

毎週、ネットワーク参加局(※3)を聴いているか
 94%がネットワーク参加局
 6%の人がネットワーク参加局以外のラジオ局(Independent station※4)
を聴取をしています。
レポートでは、12歳以上、18-49歳、25-54歳で分けたデータも示していますが、どの年齢層もあまり変わりがありません。

【top40fmtの注釈】
(※3)原文ではNetwork affiliateとされています。さまざまなネットワークに参加系列があり2つ3つのネットワークに参加する放送局もあります。O&Os: Owned-and-operated stationいう、所有および運営される資本による放送局の系列(ネットワーク)とは異なります。なおO&Osについては米国も日本と同様にメディア集中排除の原則がありますが、近年は規制緩和されているようです

(※4)Independent stationは、コミュニティ、大学などが運営している局も含みます。

Broadcast syndicationは、ネットワークを介さず番組販売をする仕組みです。American Top 40の提供会社は、この形態を採っています。


ポッドキャスィングとスマートスピーカーでの聴取者の平均像
項目 ポッドキャスト聴取者 家庭で所有するスマートスピーカーの聴取者
平均年齢 39歳 41歳
家族数 3.1人 3.3人
所帯収入 96,500ドル 109,500ドル
勤労者 80% 78%
性別 男性 57%、女性 43% 男性 55%、女性 45%
人種 白人67%、ヒスパニック15%、黒人9%、 アジア人他8% 白人69%、ヒスパニック15%、黒人9%、アジア人他7%
ラジオを毎週聴いているか 90% 92%
衛星ラジオを毎週聴いているか 16% 22%
聴くラジオフォーマット CHR(Top 40) 28%
AC 26%
News/Talk 24%
CHR(Top 40) 31%
AC 27%
Country 24%
となり高所得者が多いという傾向が見られます。またこの調査ではCHR(Top 40) が共に1位となっています。

【top40fmtの注釈】
アメリカ合衆国国勢調査局の2017年の調査では所帯収入は中央値で60,336ドルです。それに比べポッドキャスト聴取者は約1.6倍スマートスピーカ聴取者は約1.8倍となっています。

最後にラジオフォーマットのランキング
が掲載されています。12歳以上と12-17歳のランキングは省略しますが、

18-34歳では
 1位 COUNTRY 15.1%
 2位 CHR(Top 40) 12.9%
 3位 AC 7.9%
 4位 URBAN CONTENPORARY 6.9%
 5位 HOT AC 6.2%
 6位 RHYTHMIC CHR 5.5%
 7位 CLASSIC ROCK 5.2%
 8位 NEWS/TALK COMBINED 4.5%
 9位 CLASSIC HITS 4.0%
 10位 CONTEMPORARY CHRISTIAN 3.5%

25-54歳では
 1位  COUNTRY 13.1%
 2位  CHR(Top 40) 8.6%
 3位  AC 8.6%
 4位  NEWS/TALK COMBINED 7.0%
 5位  CLASSIC ROCK 6.5%
 6位  HOT AC  5.6%
 7位  CLASSIC HITS 5.2%
 8位  NEWS/TALK COMMERCIAL 4.9%
 9位  URBAN CONTEMPORARY
 10位  CONTEMPORARY CHRISTIAN 4.1%
となっています。

ラジオを聴かない日本人

日本では調査方法が異なりますが、総務省が発行した令和元年(2019年)版情報通信白書による各メディアの平均利用時間と行為者率を見ますと2018年の調査では、

平日の全世代で
 テレビリアルタイム利用  79.3%
 テレビ録画利用  18.7%
 インターネットネット利用  82.0%
 新聞購読  26.6%
 ラジオ聴取  6.5%

休日の全世代で
 テレビリアルタイム利用  82.2%
 テレビ録画利用  23.7%
 インターネットネット利用  84.5%
 新聞購読  27.6%
 ラジオ聴取  5.1%
となっており、米国と違い日本ではラジオの聴取が最下位となり米国とは全く異なる状況になっています。
表 主なメディアの平均利用時間と行為者率
総務省、令和元年版 情報通信白書から転載